僕のアメ♪

―次の日in学校―

今日もまた、何の変哲も無い日常が始まる。

いつものように朝から溜息つく私だが、

「……♪」

いつもより少し、楽しそうだった。

また、彼に会えるかもしれないから…。

そして、運命なのか偶然なのか、学校で愛斗に会った。

休み時間のことだった。

移動教室のときに、二年の階で愛斗に会った。

「あ…」

「よっ」

愛斗は両手をポケットに入れていたが、ぎこちなく右手を上げた。

「おはよう」

私は笑顔で挨拶した。

「お、おはよう」

愛斗も少し戸惑いながら返してくれた。

「まさか、こんな早く会えるなんてね」

私は可笑しそうに笑う。

本当は嬉しかった。心が明るくなるのを感じていた。

「あぁ。実は、また会えるかと思って学校来たんだ」

愛斗は可笑しそうに笑う。

二人とも、照れ隠しのように笑い合っていた。

「普段は来てないの?」

私は目を丸くして尋ねる。

「ん~…たまに来てるぐらいかな」

愛斗は眉を潜めて考えた。

「ちゃんと学校来ないとダメだよ」

「気が向いたらな」

愛斗は誤魔化すように笑う。

「じゃ、私移動教室だから。…またね!」

私は笑顔で手を振って、愛斗と別れた。

「バイバイ」

愛斗はぎこちなく手を振った後、

「……ハァ//」

と、少し頬を染めて、深い溜息をつきながら廊下に座り込んだ。