僕のアメ♪

―公園―

私はハンカチを濡らして愛斗の元まで行き、口元を拭く。

「イテッ…」

愛斗はピクリと眉を潜ませて、一瞬顔を曇らせた。

「ぁ…。ごめんなさい;;」

私はうつむき加減にアタフタ謝った。

「……ありがとな//;」

愛斗は頭を掻きながら少し恥ずかしそうに眉を潜めて、他所を向いて言った。

「いえ。ごめんなさい。余計なことして…」

私は顔を曇らせた。

今思えば、彼にとっては要らぬ世話だったのかもしれない。

勝手な自己満足でここまで動いてしまった自分に、後悔していた。

「いや…助かったよ。悪かったな、キツイ言い方して」

「……」

私は顔を上げて、愛斗を見た。

本当は、彼は優しい人なのかもしれない。

見た目は怖くても、人の事を気遣える、素直で、優しい人なのではないか。

そう思って、驚いたからだ。

「優しいんですね」

私は微笑んだ。

「……//」

愛斗は初めて間近に見た私の顔に、頬を染めた。

「??」

「そんなことねーよ//」

愛斗は口を手で隠して、私から目をそらした。

「そうですか?でも、ボロボロなのに私を気遣ったり、素直に礼を言うなんて、漫画で見る一般的な普通のヤンキーに比べたら優しいですよ」

「漫画のヤンキーねぇ…。君、俺のこと怖くないの?」

愛斗は半眼で呟いた後、私の顔を覗き込んで尋ねる。

「怖くないです」

私は笑顔で答えた。

「…そーか」

愛斗は少し安心したように口を緩ませた。