僕のアメ♪

警察官が立っていた。

「はーい。警察きましたー」

悠介は金髪の男の頭を右手で掴んで持ち上げた。

「イテテテテッ。何しやがるテメー!!」

「お前、嫌がってる女の子に何しようとしてんだ」

「……」

私はあまりの出来事にキョトンとしていた。

「お前か?昨日愛斗たちに喧嘩売った奴」

「あぁ?!誰だそいつ…。いいから離しやがれ!」

「……」

悠介は仕方なく金髪の男から手を放した。

「うっ…;;」

金髪の男は痛そうに呻き声を上げた。

「悪いけどお兄さんさ、あんまりそいつらに手ェ出さないでくれる?…真面目に卒業さしてやりてーんだ」

「!?」

私は悠介の最後の言葉に驚いた。

「ハッ。何言ってやがる。お前こそ、警察官がこんなことしてただで済むと思ってんのか?!」

「思ってないさ。ただ、そん時はお前も道連れだ。これからまた何かしようとしてんなら、全力で殺りにかかるからな」

悠介は上から物凄い形相で睨んだ。

「な、何だと…?!」

金髪の男は悠介の威圧感に負けて、声が震えていた。

「さぁ、どうする?今すぐ消えれば、今回の件は無かったことにしてやる。それとも、まだこいつに用があるってんなら、俺が話聞くぜ?」

「……くそっ」

金髪の男は大人しく消えようと、私の前を通り過ぎる。

顔が強ばっていた。悠介の威圧感は、半端ない。

さすが元ヤン←

金髪の男は去り際、わざと私の近くを通って「また今度な」と小声で言った。

それに怒りを覚えて、私の頭の中の何かが切れた。

「もう二度と私たちの前に現れないで」

私は少し大きな声で金髪の男に告げた。

金髪の男は怒ったのか、振り返りざまに拳を振り上げる。

「死ねガキ!!」

自然と目が据わって、表情が冷たくなる。

「……うざい」

私は軽くひょいっと避けて、素早く足を出して、金髪の男の足を引っ掛けた。

ドスッ!!

金髪の男は派手に転んだ。

そんな力任せに拳ふったら、ちょっとの力で倒れるの当然…。

「…はぁ」

私は金髪の男の頭の悪さに呆れて、溜息をついた。

「……っ!!」

金髪の男は立ち上がって私を睨む。

私は動じず睨み返した。

「まだやるか?」

そこに入ったのは悠介。

悠介は金髪の男を近くで睨みつける。

「……」

金髪の男は今度こそ、消えた。

「まぢでしつこかった…;;」

私は表情を緩めて、ため息ついた。