「れ、レン!!ブレーキ!ブレーキ!;;」

私は必死で呼びかけた。

でないと、私の命が危うい←

「おはよう」

愛斗は笑顔で手を振る。

「のん気に挨拶してる場合か!;」

私は思わずツッコンだ。

金髪の少年:レンの乗ったバイクは、もう私の10メートル先。

もう終わった…死んだな、俺。

馬鹿な友達に引かれて死ぬのか…俺←最悪でも、骨折程度ですww

「大丈夫!」

レンは可愛らしい無邪気な笑顔でそう言うと、急に思いっきりブレーキを引いた。

キィィィィイ!

レンの乗ったバイクは、私の目の前でギリギリ止まった…。

「ね?」

レンは笑顔で、血の気の引いた青ざめた私の顔を覗き込む。

「ふざけんな(怒)!!」

私は大きな怒声を上げて、レンの頭を殴った。

「イテー」

レンはタンコブの出来た自分の頭を、涙目で撫でる。

「何が大丈夫だっ!お前、俺を殺す気か!!」

「大丈夫だよー。オレ、バイクの練習いっぱいしたから、そうそう当てないよ」

「絶対じゃないだろ!なァ!!それに、俺が言ってるのはそういうことじゃねぇ!ビックリすんだろ?!」

「じゃあ、絶対!あぁ、そっちねw」

「そうそう…って!;ノリ軽っ;;しかも、『じゃあ』って…;;」

私は呆れて、肩を落とした。

「おはよう、愛斗」

「おはよう」

レンと愛斗は挨拶する。

そして、2人で話を始めた。

「ゲーム終わったのかよ」

「ボス手前ん所まで行ったんだけど…兄貴に電源切られてデータが全部パーになった^^」

「今日、兄貴機嫌悪かったのか?;」

「ううん♪何かね…携帯充電しようとして、間違ってゲーム機のコード抜いちゃったらしい^^慌てて謝ってきたw」

「そうか;;」

この金髪の少年は、七森(ナナモリ)蓮太(レンタ)。

明るい光を持った綺麗な金髪に、大きくてクリクリした黒目。

いつも子供みたいに明るくて、テンションの高い…ただの馬鹿←

黄色いピアスに、黄色いブレスレット…顔は童顔で、可愛い顔立ち。横髪はピンで上げている。

今思えば…何でこう、私の周りは変なのばっかなわけ?;

「…あ!美桜、先に行っててもいいよ?」

蓮太はハンドルに肘ついて、私に言う。

「みんなで行こうよ」

私はカバンを肩にかけて、膨れっ面で言う。

「今から走ればギリギリ間に合うよ?愛斗も走って行きなよ」

蓮太は2人を気遣って言う。

「俺はどっちでもいいぞ。美桜の好きなように」

愛斗は私に選択肢を渡した。

「みんなで行く。大丈夫でしょwそれに、1人で怒られるより、みんなで怒られた方が怖くない!」

「…了解^^じゃ、ちょっと此処で待ってて」

蓮太は少し驚いた後、笑顔でそう言ってバイクを停めに行った。

「ふぅーん。さっき出席日数とか嘆いてたのに、優しいんだな」

愛斗は私に近づいて、顔を覗き込んできた。

「優しくないよ;;べつに…普通だし//」

私は愛斗から目をそらして、赤くなる顔を隠すように少し下を向いた。そして、

「ほら、よく言うじゃん…」

「…?」

「『赤信号、みんなで渡れば怖くない』」

照れを隠すように、本気で思った事を言った←

「言わねぇよ。つか、それ…怖くないけど危ないことには変りねーだろ;;」

愛斗は半眼でツッコンだ。