私たちはデパートまで歩く。

交番までパトカーで連行されたが、デパートにバイクを置きっぱなしだったからだ。

「ねぇ、ユウさんって…いい人だね」

私は歩きながら、何となく呟いた。

「「「全然」」」

蓮太は笑顔で、
愛斗は苦笑いで、
翔は無表情で、同時に即答した←

「え;;」

私はみんなに否定されたので、少し戸惑った。

「あいつのどこがいい奴なんだよ」

愛斗は少し不機嫌そうに尋ねた。

「いや…何となく?;;喧嘩したいとか言っても、みんなのことちゃんと考えてたし…」

「あれは喧嘩をしたいことを隠す口実にすぎない。考えてるよーで考えてないんだよ」

愛斗は私の一言を、バサッと斬った。

「あいつは喧嘩好きで、めんどうなことが嫌いなだけ。警察官としては危ない。元ヤンって言ってたし…。たまにパトロール中にカツアゲしてるんだぜ?」

「そうだよ!ユウ、この前オレのお菓子食べたんだからね!!」←

「警察官に有るまじき奴だな」

3人はそれぞれ口々に言い合う。

「そ、そーなんだ…」

ユウさん…めちゃめちゃ嫌われてますね。

私は半ば納得しながら、半ば信じていた。

何となく…本当に何となくだけど、ユウさんの中に、何か温かいものを感じたから…。