僕のアメ♪

「すげぇ…ラッキーすぎだろ;;」

私は本気で驚いた。

子供のようにハシャグ蓮太を見てると、何だか可笑しくなってきた。

「……」

温かい目を蓮太に向ける。

「うわぁぁぁぁぁん!!」

その時、子供の大きな泣き声が聞こえた。

「??」

私と蓮太は声がした方を見る。

小さな男の子が泣きじゃくっていた。

「…どうしたの?」

蓮太は男の子の前でかがんで、同じ目線で話し掛ける。

「コイン…なくなっちゃった…ぅわぁぁぁぁん」

男の子は泣きながら答えた。

「そっか…じゃ、オレのコインあげるよ」

蓮太は笑顔で自分のコイン全部、男の子に渡した。

「いいの?」

私はあんなに欲しがっていたものを容易く人に与えた蓮太に少し、感動した。

「うん。10枚あるし」

「そっか;;チャッカリ10枚だけ取ってたわけね;;」

さっきの感動を返せコラァ。

「あ…ありがと、お兄ちゃん!」

男の子は笑顔で礼を言うと、両手でコインを持って走り去った。

「あの子、喜んでたね」

私は微笑んだ。

「うん!」

蓮太も微笑み返した。