それは、ほんの数時間前の出来事だった…。

―数時間前―

みんなはテストで昼帰り。

制服姿のまま、公園でくつろぐ。

「今から何するー?」

蓮太はベンチに寝転がって声を上げた。

「昼寝」

隣に座っていた私は即答した←

「高校生が公園で昼寝って…;;」

柱に体を預けて立つ愛斗は苦笑した。

「それより、お前らはテスト大丈夫だったのか?」

翔は蓮太の目の前に立って尋ねる。

「……((プイ))」

蓮太は半眼で頬を膨らませて、寝返り打つように翔から目をそらして横向いた。

「ダメだったのか…」

翔は呆れたように溜息ついた。

「俺はばっちりだぜ?」

愛斗は余裕そうな笑みを浮かべた。

「……」

翔は次に私を見た。

「…聞くな。俺には初めから勉強なんて出来ないんだ…」

私は半眼で翔から目をそらした。

そして、人生諦めたような遠い目で地面を見つめる。

「まあ中間だし、何とかなるだろ」

愛斗は腕を頭の後ろに回して足を斜めに出して、本格的に柱に体を預けた。

「そうだな」

愛斗の言葉に納得した翔だが、

「ねぇ~何する~?」

それを無視して暇そうな声を上げる蓮太。

「お前は少し危機感を感じろ!;;」

愛斗はベンチの上でゴロゴロ動き回る蓮太を叱った。

「だって、勉強の話なんて楽しくないもん」

蓮太は口を尖らせて言う。

「勉強は“楽しい”“楽しくない”じゃないだろ」

翔の言葉に、蓮太は「ん~!!」と唸り声を上げた。

「ま、テストももう終わったんだし、どっか行くか」

愛斗は蓮太を慰めるように少し笑いながら言った。

「本当!?」

蓮太は目を輝かせて飛び起きた。

「うん。どこ行く?」

「ん~…」

愛斗の問いに、蓮太は眉を潜ませた。

「私、クレープ食べたい。お腹すいた…」

私は右手を上げて、発言した。

「じゃあ、デパートとか。ゲーセンもあるし」

「ゲーセン!?」

翔の言葉に、目を輝かせる蓮太。

「よし。デパート決定」

愛斗はそう言って、バイクを停めていた所まで歩いて向かう。

「やったぁぁ!!この前は結局行けなかったしね♪」

蓮太はるんるんで走った。

「クレープ食べれる…♪」

私は少しるんるんで立ち上がった。

「ほんと単純だな、お前ら」

翔はそんな二人を見て、また呆れたように溜息ついた。