「…ぁ」

そこに翔が入ってきて、何かを思い出したように声を上げた。

「どうした?」

愛斗が尋ねると、

「バイク目の前に停めたら迷惑かかるぞ。早く移動しねーと…」

とポケットに手を突っ込んだまま答えた。

「そうだな。裏に駐車場があるから、そこに停めようか」

愛斗は鍵をポケットから出して、出入り口に向かう。

「レン、お前も行くぞ」

「ぁ。うん」

ボーっとしていた蓮太も急いで店を出ようとする。

「美桜も行かないの?もうゲーセン行こうよ」

蓮太は出入り口で振り返って、私に呼びかける。

「私、もうちょっと見ていくわ。可愛い物いっぱいあるし♪先にバイク停めて来て」

「わかった♪」

蓮太は笑顔で店を出て行った。

そして、しばらくするとバイク音は消えて行った。

「♪~~」

私はお店の売り物を見て回る。

可愛い物が本当にいっぱいあった。

恋愛運が上がる石とか、健康運が上がる石とか、金運が上がる石とか…。

うん。今の私には…

「これだな」

華の女子高校生が手に取ったのは金色に輝く石。

金運第一←

「ん??」

そんな私の目に止まったのは、真っ黒い石。

「何これ」

ポップには、
全てを飲み込むブラックホール。これを持つ者に悪運を引き寄せる史上最悪な石
…と書いてあった。

「……」

私は恐る恐る石に手を伸ばす。

つん…ツン!と触ってみたが、何も反応がなかった。

「何だ、何にもないじゃん」

私は余裕で石を撫でていると、人気の寄り付かなそうなこの店に、誰か客が入って来た。

「??」

興味本意で振り向くと、入って来た男達と目が合った。

人相が悪くて、少し派手な格好をしている不良のような連中だった。

愛斗たちよりチャラチャラしていて、性格の悪そうな笑みを浮かべる←

人数は5人。

そいつらは私にゆっくり近づいてきて、私の周りを固めた。

うわぁ…ごめんなさい;;

今度から興味本位で変な物触るのやめます!!;←