学校で良いことがあると、家で悪いことがある。
鞠絵と幸村の3人で行動するのは居心地が良かった。2人のやりとりを見ているのがすごく楽しくて、学校にいる時間が短く感じるくらい。もっと学校にいたい―――なんて思うようになっていた。
学校で充実しているせいか、家では真逆の生活を送っていた。
一言で言えばあたしは孤立していた。父と義母と妹の‘家族’にあたしは入ることができないでいる。妹と義母に笑いかける父。‘パパ’と呼んで笑っている妹と義母。‘パパ’なんてあたしは知らない。この3人の中に入れないでいるもどかしさと、誰に向けられているのかさえわからない嫉妬。はっきり言えば、家にいるとストレスが溜まるばかりで辛かった。