「あはは。ミーナは昔っからそーゆー奴なんだって。」



博士は笑いながら翔悟の肩をバシバシ叩いている。




「もう!ヒロシ笑いすぎだから!

それに、『ミーナ』って呼ぶの止めてって言ったじゃん!」







あたしは、小さい頃からのあだ名で呼ばれるのが大の苦手だ。


「そんな事言うけどさぁ、ミーナだって、俺の事『ハカセ』って呼ぶ事あんだろ?」


「うん。そりゃあ…」



「じゃあ、おあいこじゃね?」

悪戯っぽく笑って、ヒロシは言った。





「それとこれとは話が別でしょ!?」




必死になって抗議するも、ヒロシの耳には届かないのであった…








「おい、お前ら…」



翔悟の呼び掛けに、あたしとヒロシは同時に振り向く。


「乗り遅れんぞ。」






「「え?」」


気付けば、あたし達3人以外の生徒は、みんな汽車に乗り込んでいたのでした。