グラスを手にしたまま疲れた
様子でぼんやりしている
由香里を見るに見かねた
マスターが

「由香里ちゃん、ほら‥
あんまり思いつめない!
はい、これ。
今夜はこれ食べて
早く帰ってゆっくり寝なよ。」

そう言って温かいお茶と
一緒に焼きおにぎりを
そっと出してくれた。

なぜか‥こらえていた涙が
ポロポロッと溢れ出した。

涙声で

「あ、ありがとう、マスター。」

そう言うと、温かいおにぎりを
ほおばった。