この時、私は1年生だった。


まだまだ未熟者の、小学1年生。


私のほうに、見知らぬ男の子が近づいてきた。


「俺は、龍。お前の名前は?」


 と聞かれ、私はあっさり名前を言った。


「宇美初。夏木宇美初。」


その時は、心はむずむずしなかった。


この時は、この人と、


あんなふうになるなんて、


・・・思っていなかった。