その年の冬。私は転校することになった。


私は、親からその事実を聞き、真っ先に龍に伝えた。


「私来年から、他の学校に行くんだぁ・・・」


 その時の私の目は、今にも涙が出そうだった。


龍は笑顔で、


「そうなんだ、頑張れよ。」


「うん・・・」


 私は、どこか切ない気持ちになった。


龍は、もっと悲しんでくれると思ったから。


それは、ただの空しい思い込みに過ぎなかった。