私は、何も取り柄などなく、面白いこともなく、夢中になれるものもない。 クラスでは、かなり浮いていて、時は静かに過ぎて。 もう、中学も最後の年になっていた。 まわりは、高校どうするっていう声が飛び交っていた。 別に私は、頭が良いわけでもなく、運動神経が良いわけでもない。 高校なんて、その辺の近いとこでいいやって。 私には、光が差しこまないガラスに包まれていて、決して開かない鉄の扉に閉ざされた心。 「そんなあんたに未来があるのか」 みんなはこう言うだろう。