「有耶くんはさ、被写体ばっかり見て 意外と自分が見えてないんだね、きっと。」 とても的を獲た事を言い放った幸四郎に 思わず目をそらせなくて。 窓の外では 竹の葉がサラサラと揺れている。 「本当は、一番写したいモノは 一番近くにあったんじゃない? うん、なんかそんな気がする。君を見てると。」 そう言って さっきより湯気の薄くなったコーヒーに再度口を近づけて 幸四郎は新聞を開いた。