「…嫌いじゃないけどな」 「うん。 あたしも。」 月はこんなコンクリートだらけで 窒息しそうな街を どんな風に見下ろしているんだろうか。 さっきより顔を上げたあたしの目には 街灯より遠くで揺らぐ乳白色の細い月が ゆらゆらと 「やっぱり爪みたい。猫の。ね、ユウ。」 揺れていた。