「…イオリ、大事にね」 俺も精一杯、悪戯っぽく笑って 携帯を閉じてから またポツリと涙がこぼれ落ちたのは きっとユウも一緒だったと思う。 イオリに電話をしなかったのは 強がりだったかもしれないし 最後の逃げだったかもしれない。 でも、ダンボールが全てトラックに詰まれて 部屋ががらんどうになった頃 イオリから来たメールを見て やっと、本当に全てを受け入れて ドアを開けられた事は ユウにすら内緒。 ユウへの最後の意地悪だから。