どちらも
会おうとはしなかった。
ただ一晩中
十数年、枠組みだけ組み立てられたようだった形を埋めるように
ただ一晩中、たわいもない思い出話に花を咲かせた。
朝の真っ白な陽が窓から見える位昇った頃には
涙はきちんと乾いて
いってらっしゃいの変わりに
「楽しんでこいや」
と、最後に鼻を啜ってユウは笑った。
会おうとはしなかった。
ただ一晩中
十数年、枠組みだけ組み立てられたようだった形を埋めるように
ただ一晩中、たわいもない思い出話に花を咲かせた。
朝の真っ白な陽が窓から見える位昇った頃には
涙はきちんと乾いて
いってらっしゃいの変わりに
「楽しんでこいや」
と、最後に鼻を啜ってユウは笑った。


