田舎の春はとても穏やかで 空は高い。 「投げるよー!」 高い高い空に 投げた硬球の白は伸びやかに飛んでいく。 其れを追う小さな背中が益々小さくなっていく。 前にしか、硬球に向かってしか進まない背中は 蒼すぎる空に負けない位に眩い。