次の日、私は昼休み、友人とお弁当を共に食べてから、移動教室で教室を移動していた。

すると、




「あ!松雪さん、丁度いい所に!」

「あ、與さん」





パタパタと可愛らしく走ってくる彼女は本当に見習いたくなるくらいに乙女で。
いつも会う時にはトレーニングウェアだから新鮮だった。





「あのね、予選の日、少し早めに来てもらいたいの」





『いいかな?』と控えめに聞く彼女は本当によくできたマネージャーだ。
そんな風に聞かれて、嫌な思いをする人はいない。





「うん、全然構わないよ」

「よかった!じゃあ、お願い―――って、樋野!」





私に向けられていた視線は、ふと移り、その視線を辿ると、確かに昨日会った樋野くんがいた。