鮮麗フォトグラファー







ズキンズキン、と。
未だに止【や】まない頭痛は、どうしてだろう。

少しだけ、痛みが和らいだ気がした。







「なあ」

「うん……?」




「湊って、誰だよ」







彼の口から、彼の名前が出たことにびっくりした。



「え…、何で樋野くんが湊を知ってるの?」

「こないだ、言ってたじゃん」

「……こないだ?」





回想してみる。
……湊の事…。


ああ、


『うん、―――私の、…なんて言えばいいかな。そう!大切な人なの』


あの、カメラがなくなった時!