「―――旺華【おうか】の天才フォトグラファーに知ってもらってるなんて、光栄すぎて泣けるね」 なんて、また彼もニヤリと言う。 「ほんと、ジョークが上手いね」 「じゃ、またね。―――松雪 李南【りな】さん?」 ―――彼、樋野くんは、私のことを知っていたんだ。 その方が光栄すぎて、言葉が出ないんですけど。 そう思いながら、私もまたニヤリと笑って、彼の後姿を写した。