でも樋野くんは、私が言ってることなんてまるで無視で。

一直線に保健室へと向かっている。



…ああ、もう。
私をどれだけあなたに惚れさせればいいの…?

とっくに私の心は、あなたのものなのに。
あなたはそんな私の気持ちなんて、全く分からないんでしょうね。


走っているから、揺れる。
その揺れは、気持ち良くて。







「……お願いだから、その気がないなら、もう私から離れてよ…」






傷つく前に、
感情のコントロールが利くうちに、

私から、離れて欲しい。
近づかないでいて欲しい。




―――これ以上、私の中に入ってこないで。