「じゃあ、送ってくれてありがとう」
「…無理しないようにね」
「うん、わかってるよ」
そう言って助手席から降りて、学校へと向かう。
すると、
「今日李南、送ってきてもらったの?」
「あ、奈留【なる】」
昇降口でローファーから上履きに履き替える。
すると後ろから声を掛けてきたのは、同じクラスで委員長をしている安達 奈留【あだち なる】
いつも一緒にいる、友人だ。
「そうだよ」
「ちょっと、李南…。顔色悪いけど、大丈夫なの?」
「…うん、大丈夫」
「無理は禁物だよ?」
「うん、ありがとう」
心配してくれる、友達がいるってことは、幸せなこと。
そう思った。

