「……行って来るね」

「送ってあげるから、玄関の所で待ってて」






お母さんがよっぽど心配したのか、送ってくれると言ってくれて、若干助かった。






「休んだ方がいいんじゃないの、やっぱり」

「大丈夫だって。無理はしないから」





それほど、辛そうに見えるのか。

実際にキツイ。
正直、寝ていたい。

でも。
――――失恋したからこうなったって、思いたくないから。


学校の校舎が見えてくる。
自分と同じ制服を着た生徒が、登校してる。

そんな彼らを車で追い越し、校門前に止める。
『誰だ?』と言うようなこの雰囲気に私は少しだけごめんなさい、という気持ちになる。