私は、きっとじゃなくても絶対に、カメラがなきゃ、生きてなんていけない。
だからカメラが見つかって、本当に泣きそうなぐらい嬉しかったの。
だってあのカメラは、
『…李南』
『行かないで、湊【みなと】』
『…ごめん、李南。行かないと夢が掴めないから…』
『李南を置いて行くの?!』
『…李南も、連れて行きたいよ。でも、それは無理だから』
『…っじゃあ、李南も行くから!高校卒業したら、湊と同じ世界に…!』
『じゃあ、このカメラやるよ』
『…!』
『だから、早く追いついてこい。李南』
「湊からもらった、大切なカメラだから」

