スタスタと、校門までの道のりをまた歩く。
後ろからも、同じくらいのスピードで付いてくる足音。
―――誰のものかは、もう分かり切ったこと。
「ねえ、何であんな嘘言ったの?」
『俺の彼女に手荒なこと、しないでもらえます?』
それには、私も動揺が隠せなかった。
そんなことをまさか、樋野くんが言うだなんて。
「…ああでも言わなきゃ、ああいう奴らは止めないからな」
「…そっか」
まあ、でも本気だなんて思わなかったし、きっとその場しのぎのハッタリで言ったんだろうとは思っていたけれど。
……。
…ん?
―――あれ。
どうして。
どうしてだろう。
胸が、胸の奥が、―――痛い。