だから腕を離して! そう言おうとしていた。 けれど、 「その手、離してやってもらえますか?」 そんな声が頭上から聞こえる。 ―――ああ、もう。 何で君は、いつもこんなタイミングのいいときに居るの。 「…樋野くん…」 ありがとう、そう言おうとした。 けれど、なかなか腕を放してくれない。 すると、