…―――何?
顔を上げると、体操服を着た男の子がいた。
見たところ、
「…サッカー部?」
っぽくて。
いや、なんて言うんだろう。
…雰囲気が。
「まあ、野球部だったらサッカーボールを拾いには来ないよな」
「…それもそっか」
私はその言葉に納得し、ボールを蹴った。
するとそれは、見事彼の足元にいい感じにいって。
「へえ、上手いじゃん」
口角を上げて、笑いながらこちらを見る彼に少しドキッとしながら、褒められたことに調子に乗って、
「でしょ。野球とサッカーだったら、サッカーの方が自信あるから」
なんて言った。

