申し訳なさ過ぎて私は樋野くんに、
「ほ、本当にごめんね…」
そう言った。
「ま、見つかったんなら良かったじゃん」
笑って、そう言ってくれる樋野くん。
本当に樋野くんは良い人だ。
そう思いながら私も再び『ありがとう』と言うと、
「え、なになに?もしかして今まで探してた?」
と環奈ちゃんが入って。
「うん、取りに行ったらなかったから、ずっと探してたの。そしたら…樋野くんも付き合ってくれて」
「……そう。…でも、まあ樋野はじゃんじゃん使ってくれていいから!」
今、環奈ちゃんは笑っているけれど、曇った表情が一瞬垣間見えたような気がしたんだけど、私の見間違いだろうか。
私は、環奈ちゃんからカメラを受け取り、クラスへ戻る。

