探し回ってけれど、やっぱりどこの教室にもなくて。
休憩時間になった。
そんなとき、
「あ、いたいた!李南!」
「あ、環奈ちゃん」
手を振ってこちらに向かって走ってくる環奈ちゃんが前方から来た。
『げ、』と言う樋野くんの表情は、本当に嫌がっているかのような表情で。
そんなに環奈ちゃんに怒られるのが嫌なのかな。と察しながらも、私は環奈ちゃんに近づいた。
「すっかり李南たち仲良くなってるね!」
「う、うん?仲良くなってるのかな?」
「本当、妬いちゃうよ!あたしの李南と仲良くなるとか!ちょっと、聞いてるの?!樋野!」
「あーもう、うっさい」
「はあ?!それがマネージャーであるあたしに言う言葉なの?!」
「あーはいはい」
「もう!」
『樋野なんかもう知らないから!』なんて言う環奈ちゃん。
それでも嬉しそうな表情に見えるのは、私だけだろうか。
そう思いながらも、私は環奈ちゃん達の会話を聞いていた。
すると、
「あ、そうそう。これって李南のでしょ」
と。
そう言って手渡されたのは、

