私が経緯を話せば、
「カメラがなくなった?」
『何やってんだよ、バカだろ』と言うような表情で見られた。
優しい樋野くんでもそう思うよね…。
私だってそう思ったもん。
「そう。多目的室に置いてたんだけど、なくなっちゃって…」
「バカ、なんでいろんな人が使う多目的室に置いとくんだよ」
「すっかり忘れてて…」
けど樋野くんは、案の定やっぱり私に協力してくれるようで。
それを聞いて、すぐに動き出した。
「え…?」
「ほら。早く探さねえと」
「…うん、ありがとう」
樋野くんの後姿は、まさに凛々しくて。
頼りになる彼に、私は頼りっぱなしで。
私はひたすらついて行った。

