「もう、本当にごめんね、松雪さん」
「ううん。私が隠し撮りしたから…」
「もう!折角、旺華が誇るフォトグラファーに撮ってもらってんだから、そんな細かいこと気にして、松雪さんを困らせちゃだめじゃん!」
「そんなフォトグラファーが隠し撮りしてる方がスクープでしょ」
「ひ、樋野くん酷い…!」
なんて、私も嘘泣きをした。
そうしたら二人とも笑っていて。
「あたし、松雪さんもっと話しにくい人なのかと思ってたけど、案外そうじゃないね」
「え」
「環奈【かんな】!與 環奈って言うの。だから、環奈って呼んで。李南!」
「ありがとう、環奈ちゃん」
早く集合場所に来なさいよ、とだけ言い残して、與さん…じゃなくて、環奈ちゃんは此処から立ち去った。
「…仕方ない。行くか」
そう言って足を進めた樋野くん。
「そうだよー、人のせいにしてたらそのうち罰当たるよ」
その後ろを懸命に追いかける私。

