「げ、與…」
『と、松雪じゃん』と私にも視線を向けてくれた彼。
一応『おはよう』と言えば、『もう昼だし』と突っ込まれて。
私は少し笑う。
でも、
「『げ』じゃないのよ、『げ』じゃ!アンタ、今日朝練の時、腕立て伏せサボったでしょ!」
與さんの説教は始まり、私から與さんに再び視線を移す。
ああ、やっぱり運動部のマネージャーは大変だなあ。
と思いながら、それをこなす與さんを尊敬する。
「腕立て伏せなんてしなくてもいつも家でしてるっつーの」
「家は家!学校は学校でしょ!」
「はいはい」
適当にあしらうように言う彼は、本当に怒りを増させる天才だと思う。
その証拠に與さんはまたも怒りを彼にぶつけているのだから。