コートに戻ると彼は既に待っていた。 「おねーさん……?」 コートの隅に置かれたベンチに座り彼に向かって手招きする。 「おねーさん、これって……?」 「お礼」 乱暴に袋を彼に渡す。 誰かにプレゼントを贈る。 こんな事初めてだったから何だか恥ずかしかった。 「わぁ……ありがとう」 途端に笑顔になる彼。 「さぁ、始めようか。こう見えても昔少しだけテニスやってたんだ」