今でも覚えてる。 あの生々しい光景を。 忘れたいのに忘れられない。 嫌でもあの光景が脳裏にしっかり焼き付いてるから。 キキィーッ!! あの張り裂けるような、耳を劈くブレーキ音。 真っ赤に染まる地面。 嫌なのに。 嫌なのに。 嫌なのに。 「いやっ……!!」 目を覚ますと熱のせいかベッドが汗でグッショリ濡れていた。 いや、それとも久し振りに嫌な夢を見たせいなのか。