彼の腕がそっとあたしを包み込む。 その腕があまりにも優しくて彼の胸の中でしばらく泣いてしまった。 本当にあたしは馬鹿だ。 出会って数十分しかたってない男の胸に頭を預けるなんて。 しかも相手は学生だ。 体を離して少し距離をとる。 「ありがと。少しだけどあんたに出会えてよかった」 でも彼と話して気持ちが軽くなったのも事実だから。 あたしは彼に背を向け、歩き出した。