無言のまま、言われたように椅子に座っている私達

それを見かねた記者の人が話題を振ったのだった


「ごめんなさい
 サッカーは、詳しくなくて‥‥
 サッカーが強い国は、ブラジルとかヨーロッパの方ですよね?
 今迄、サッカーを観戦する機会もなかったので、この機会に教えて頂けたらと思います」


ファイルを見ただけでは、正直サッカーの事なんて分からなかった

だから正直に詳しくないって打ち明けると、スタッフの人から日本のサッカーの事を熱く語られたのだった


「国内リーグ3連覇を目前なんですか?
 デビューから3年連続優勝って、やっぱり1年目や2年目とは気持ちが違いますか?」

「そうですねぇ~
 1年目は、高校を卒業したての子供だったので、自由にプレーをさせてもらえましたね
 それに2年目は、絶対に2連覇しようって意気込んでましたし、連覇出来て良かったって思いましたよ」

「サッカーは、いつからやってるんですか?」

「小さい頃からですねぇ~
 僕、ゲームとか家でやるよりは、外で遊んでる方が好きだったので‥‥
 RURIさんの子供の頃って、どんな感じでしたか?」


記者の人から話を聞いたからか、無言だったのがウソのように、彼との話は案外スムーズに会話が出来た


「試合前とかって、どうしてるんですか?」

「試合前と試合が終わった後は、好きな歌を聴いて歌で終わるって感じですよ
 他の選手も、そんな感じですね」

「へぇ~
 ちなみに、どんな曲とか聴くんですか?」

「僕は、I want to be near youとかThe season when I passedとか良く聴きますね」

「そうで‥‥
 えっ?
 それって、私の曲ですか?」


まさか、自分の唄っている曲だとは思いもしなく、驚いてしまった


「僕、信じられないかもしれないですけど、RURIさんのアルバムは全部持ってるんです
 特に、ゆったりとした曲が好きで、試合が始まる前や終わった後、必ず聴きますよ」

「そうなんですか?
 確かに、I want to be near youやThe season when I passedはバラードで、ゆっくりとした曲ですよね」

「ちなみに、今月発売されたBeloved meaningも買っちゃいました」


爽やかな笑顔で言う彼に、私の胸は一瞬ドキッと高鳴ってしまった


「あ、ありがとうございます
 なんて言うか、素直に凄く嬉しいです♪」