次に目を覚ましたのは病院だった。


いつも見る白い天井。


また…来ちゃった…


「葵ちゃん。」


「先生…」


「前よりも、少しずつ進行してる。やっぱり入院…」


「それだけはイヤなんです!!」


つい、大声を出してしまった。


西山 灯先生。


小さい頃から私を担当してる先生。


担当してるっていうのは、私がずっと病気と共に成長してきたって事と同じ事。


「でもね、これ以上強い薬を使うと葵ちゃんの体がもたない可能性があるの。」


「それでも良いです。入院だけはヤメてください。」


私が入院を嫌がるのにはちゃんとした理由がある。


お化けが怖いとかそんなんじゃない。


病院の白い天井を見てると、病気が悪化する事しか考えられなくなるから。


小さい頃に一度入院したけど、治るどころか悪化する一方で、それ以来入院を嫌がるようになった。