「灯…あの」


「ご注文のパフェとカフェオレです。」


バットタイミングで店員さんがきた。


机にパフェとカフェオレを置いて立ち去る。


今日は店員さんにいてもらいたい気分だ。


「パフェ、溶けちゃうよ?」


「あ、そうだね…。」


スプーンを持つ手が震える。


なに震えてんの。


なんで震えてんの。


必死に震えをおさえようとする。


でも、止まってはくれない。


なんで…


灯は本当に良い友達。


何でも話せたし、灯に秘密にしてるのは病気の事ぐらい。


ごめんね。


今日から、もう1つ秘密増えちゃった。


「灯、私応援するよ。」


上手く笑えたかな。


無理矢理口を笑わせた。


震える手を隠して、泣きそうなのを隠して。


必死に笑顔を作った。


「ほんと!?ありがとう!絶対葵も好きだと思ってたから…良かった。」


良かったって、私が好きじゃなくてって事だよね。


好きだよ。


好き。


でも、ただの片想いだから。


まだ、諦められるから。