ほんとの笑顔が見たかったんだ

ジリジリ照りつける太陽が余計に俺をイラつかせる。

ムカついた勢いであいつの家に行ったのに…。

俺、何やってんだよ…。

余計にあいつを調子に乗らせただけじゃねぇかよ…。

「あー…ムカツクわマジで…」

龍星の事に加えて、オトンとオカンの事まで言いやがって…。

確かにオトンは昔、関東では名の知れた暴走族の総長で、オカンは十代の頃、手がつけられない程のヤンキーだった。

それは紛れもない事実だ。

小さい頃からオトンに散々武勇伝を聞かされてきたし、その時の写真も見た事あるし…。

でも…でもさ…。

オトンは今は海外で技術者として働いてるし、オカンは俺らの面倒見てくれてるし…。

龍星だって、見た目はヤンキーみたいだけど、ほんとは凄く繊細なヤツだし…こんな俺と友達になってくれたすげぇ良いヤツだ。

西條達、人の見た目とか…過去とかで人間性を判断してんじゃねぇよ…。