「なにデカイ声出してんだよ」

「お前が急にそんな事言うからだろうが…」

「それにしてはリアクション大きすぎねぇ?」

「うるせぇな…」

麦茶を一口飲んだ。

龍星は俺を見てクスクス笑っている。

でも確かに、今のは明らかに俺が変だった…。

龍星が笑うのも無理ねぇわ…。

「そう言うお前はどうなんだよ?」

コップを置き、逆に龍星に聞いてやった。

龍星はニヤッと笑って答えた。

「いるよー」

「マジで?誰?俺も知ってるヤツ?」

「そうだけど?」

何だよその“そうですけど何か?”みたいな言い方は…。

ていうか…俺らと関わってる女子って、じゅなしかいねぇじゃん…。

マジか…。

「じゅなか?」

龍星が相手の名前を言う前に聞いた。

冷静を装う俺だけど、心の中では“じゅなじゃなかったら良いのに”ってマジで考えていた。

龍星はまた、ニヤッと意味深な笑みを浮かべた。

そして、

「俺の好きな子はー…ソラちゃんです!!」

そう言って大笑いした。

「あーお前マジでうぜぇわ…」

腹を抱えて笑う龍星を、俺は思いっきり睨んだ。

だけど…じゅなじゃなくて良かった…。