自分の部屋に駆け込み、ベッドに横になった。

「龍星君…」

彼の名前を呟くと、涙が出た。

頭には、優しく微笑んでくれた龍星君と、切ない表情の龍星君の顔が浮かんだ。

確かに、彼は何かを隠しているのは事実だ。

顔の怪我の原因も分からないし、花火の時に言った言葉の真意も分からない。

だけど…龍星君は絶対に他人を騙したり、傷つけたりするような人じゃない…。

絶対にそんな人じゃない…。

悔しくてどんどん涙が溢れてくる。

こんな時でも、私は龍星君の声が聞きたいよ…。

どうせ私は緊張しちゃうけど、龍星君に会いたいよ…。


私、ようやく自分の気持ちを認めたよ…。

龍星君の事が好きなんだって…。



溢れる涙を、私は止める事ができなくて、しばらくの間、泣き続けた……。