なんとなく胸にもやもやするものを感じながら、私たちは小屋へと向かった。

「かわいー!!」
制服を着るやいなや、さっそくリリアは飛び跳ねて喜んだ。
確かにこの制服は可愛い。
スカートは淡いピンク色でチェックの柄。
ブレザーの右胸のポケットに書いてある学園のマークがまたかっこいい。白い鳥が羽ばたこうとしている。これはおそらく自由を表しているのだろう。
スタイルのいいリリアにはとてもよく似合っている。
「確かここで一生懸命勉強すれば、きちんと大学にも行けるんだよねっ!!」
何て言ってくるリリアはすっかりここが気に入ったようだ。
「まっ・・・一生懸命勉強すればの話だけどね・・・」
私はさっきの小屋においてあった地図で勉強部屋を探しながら呟く。
そうして地図の通りにどんどん進んでいくと・・・どんっ

「あっすみません」
誰かの肩にぶつかってしまった。
ぶつかった人のペンケースや何やらが床に転がる。
私は急いで落ちたものを拾おうと、ペンに手をかけたとき
「いったっ・・・!」
その手を思い切り踏みつけられた。
「ちょっと、なにすんの!?」
そう怒鳴り散らすと、余計にえぐるように踏みつけられる。
「・・・っ」
リリアもさすがに異変を感じたのか、すかさず止めに入る。
「足どけてよ!!」
そういいながらリリアはその人物を突き飛ばした。
やっと手が解放されたが、まだじんわりと手に痛みが残る。
一回思い切り睨みつけてやろうと思い、その人物のほうを見る。

目からびーーーーーむっ!!

・・・・何て考えとは裏腹に、私は唖然とした。

化粧こすぎ。

まつ毛を長く見せるためのつけまつげはボーボーにつけすぎてパンダにしか見えないし、目の色はカラーコンタクトか何かで買えているのだろう。紫色の瞳に、金色の腰までかかりそうな長い髪。

うわっ・・・と思わずひいてしまった。