苦労して廊下に出てみたら、まことは病室に戻っていた。
まことはまだ充分に機能は回復していなかった。
だから伝わり歩きも困難をきわめただろう。
でも俺のために必死になって覗いてくれたんだと思った。
引き戸の上のガラス越しに中を覗くと、ベッドから手招きをしていた。
まことは俺が来るのを知っていたのだろうか?
「いいのかな?」
その問いに頷くまこと。
俺はその合図を待っていた。
でも本当は躊躇しながら戸を開けて車椅子を横付けした。
まことは病衣の襟を正しながら俺と向き合った。
「痛くない?」
その言葉に首を振る。
「だよな……、ごめんね。俺本当に馬鹿で」
その言葉にも首を振る。
「喬君は何も悪くないよ。私はきっとこうなる運命だったんだね」
「運命? もしかしたらだけど、俺達の出会いもそうだったのかな?」
俺は一番聞きたい質問をした。
「かも、知れないね。喬君がお母さんの引き合わせてくれたのかな?」
まことのその言葉に俺は現実に引き戻される。
俺の目の前でベッドに横たわっている愛しいまことは、兄弟かも知れないのだ。
俺は罪を犯しているのかも知れない。
愛してはいけない人を心の中に住まわしてしまったから……
きつと大罰が下るかも知れない。
これまで神の存在さえ知らずにいた。
ただ、興味を持たなかっただけだけど。
そう……
俺は母だけを思って、母だけを追い求めていた。
俺には母だけが全てだったのだから。
でもそんなことより、俺のせいではないと言ってくれたまことの優しさが心を暖かくしてくれていた。
まことはまだ充分に機能は回復していなかった。
だから伝わり歩きも困難をきわめただろう。
でも俺のために必死になって覗いてくれたんだと思った。
引き戸の上のガラス越しに中を覗くと、ベッドから手招きをしていた。
まことは俺が来るのを知っていたのだろうか?
「いいのかな?」
その問いに頷くまこと。
俺はその合図を待っていた。
でも本当は躊躇しながら戸を開けて車椅子を横付けした。
まことは病衣の襟を正しながら俺と向き合った。
「痛くない?」
その言葉に首を振る。
「だよな……、ごめんね。俺本当に馬鹿で」
その言葉にも首を振る。
「喬君は何も悪くないよ。私はきっとこうなる運命だったんだね」
「運命? もしかしたらだけど、俺達の出会いもそうだったのかな?」
俺は一番聞きたい質問をした。
「かも、知れないね。喬君がお母さんの引き合わせてくれたのかな?」
まことのその言葉に俺は現実に引き戻される。
俺の目の前でベッドに横たわっている愛しいまことは、兄弟かも知れないのだ。
俺は罪を犯しているのかも知れない。
愛してはいけない人を心の中に住まわしてしまったから……
きつと大罰が下るかも知れない。
これまで神の存在さえ知らずにいた。
ただ、興味を持たなかっただけだけど。
そう……
俺は母だけを思って、母だけを追い求めていた。
俺には母だけが全てだったのだから。
でもそんなことより、俺のせいではないと言ってくれたまことの優しさが心を暖かくしてくれていた。


