俺は眞樹の犬の写真を見た後で、気が付いた。
犬の鳴き声が聞こえないことに。
だから俺は急に心配になって、庭で犬を探そうとしていたんだ。
きっと、崖で弱っているのではないのかと思ってフェンスを超えようとしていた。
でも、それに気付いた母が止めた。
『この先は危険だから行っては駄目』
そう言っていた。
鬱蒼とした雑木林……
その先に崖がある。
小さい時からそう聞かされていた。
でも不思議だった。
其処からは聞こえて来なかったんだ。
あの犬の鳴き声は……
だから、空耳かも知れないと思っていたんだ。
でも確かに聞いたんだ。
だから助けてあげようと思ったんだ。
何だかんだとしている内に電話は鳴り止んでいた。
(どうせ又掛かって来るさ)
俺は高を括った。
それでも心配になって、腰を下ろしていたベッドの横から立ち上がった。
その時。
セットした目覚まし時計が勢い良く鳴り出した。
「うわっ〜!!」
勢い余って部屋の隅まで飛んでいた俺は、細長い窓にぶつかりそうになり慌ててカフェカーテンを掴んでいた。
その勢いで、カフェカーテンが突っ張り棒毎外れた。
「脅かすなー!!」
とりあえず突っ張り棒を窓枠に取り付けた俺は、急いでベッドに戻った。
さっき頭をぶつけた出っ張りの横に手を延ばし、やっと目覚まし時計の上部を押した。
「えっーー!? もうこんな時間!?」
いきなり現実へ引き戻された。
悪夢を追い払おうともう一度頭を振った時、又電話が鳴った。
俺は一階にあるリビングダイニングに急ごうとして、慌ててぶつけた箇所に手をやりながらドアを開けた。
犬の鳴き声が聞こえないことに。
だから俺は急に心配になって、庭で犬を探そうとしていたんだ。
きっと、崖で弱っているのではないのかと思ってフェンスを超えようとしていた。
でも、それに気付いた母が止めた。
『この先は危険だから行っては駄目』
そう言っていた。
鬱蒼とした雑木林……
その先に崖がある。
小さい時からそう聞かされていた。
でも不思議だった。
其処からは聞こえて来なかったんだ。
あの犬の鳴き声は……
だから、空耳かも知れないと思っていたんだ。
でも確かに聞いたんだ。
だから助けてあげようと思ったんだ。
何だかんだとしている内に電話は鳴り止んでいた。
(どうせ又掛かって来るさ)
俺は高を括った。
それでも心配になって、腰を下ろしていたベッドの横から立ち上がった。
その時。
セットした目覚まし時計が勢い良く鳴り出した。
「うわっ〜!!」
勢い余って部屋の隅まで飛んでいた俺は、細長い窓にぶつかりそうになり慌ててカフェカーテンを掴んでいた。
その勢いで、カフェカーテンが突っ張り棒毎外れた。
「脅かすなー!!」
とりあえず突っ張り棒を窓枠に取り付けた俺は、急いでベッドに戻った。
さっき頭をぶつけた出っ張りの横に手を延ばし、やっと目覚まし時計の上部を押した。
「えっーー!? もうこんな時間!?」
いきなり現実へ引き戻された。
悪夢を追い払おうともう一度頭を振った時、又電話が鳴った。
俺は一階にあるリビングダイニングに急ごうとして、慌ててぶつけた箇所に手をやりながらドアを開けた。


