スイストだけではない。
古くは竹取り物語のかぐや姫まで。
二人は宇宙人の書き上げた書物だろうと思い立ったのだった。


そして……
それらの目的は、いつか地球を攻撃して来る際のパンフレットにするためではないだろうか?

二人はそう結論付けた。




 そんな些細なことがきっかけだった。
一馬は、宇宙人が攻めて来ると思い込んだのだった。


日本の有事は……
宇宙戦争のことだったのだ。


スペース・ウォーズ。
映画やテレビドラマの影響だと、みんな思っていた。


でも信者も沢山現れたのだ。
其処でこの教団を設立したのだった。




 その対策として、優秀な人材作りに精力を傾けたのだった。


表向きは養護施設だった。

かつての自分がそうであったように……
一馬は身寄りの無い子供達を、日本の将来を背負って立つ人物へと育てようとしたのだった。


有事対策頭脳集団はオカルト教団でも、何でもなかった。
それは純粋に日本の、地球の未来を思って設立された非営利集団だったのだ。




 眞樹は俺に向かって、有事対策頭脳集団の実状を力説していた。

でも俺はボーッとしていた。

そんな状態で頭の中に入ってくるはずがない。
俺の頭はある一つの言葉に固執していた。


(違う、違う!!)
俺は泣いていた。


(母さんが本当の母さんじゃない? 嘘だ、嘘に決まってる。眞樹、お願いだ。俺を脅かしただけだと言ってくれ!!)

俺はまだ戸惑いの中にいた。

眞樹が何と言っても、聞く耳なんか持ち合わせていなかったのだ。