『ねえ』
(キター!!)
心も体もカッカと燃える。
まるで最新型インフルエンザにでも感染したかのように、全身全霊で宇都宮まことの言葉を待ちわびた。
『あなた誰?』
いきなり全身から血の気が引いた。
気が付くと、現実にいた。
『俺は眞樹だよ忘れたのまことちゃん』
必死に眞樹になりきろうとした。
『眞樹だったら、赤坂奈津美ちゃんがお相手の筈よ』
(やっぱりだ)
その返事を見て、そう思った。
(眞樹のヤツ年をごまかしたな?)
その瞬間。
今自分が手にしている携帯は、間違いなく眞樹の私物だと確信した。
(眞樹がOKなら自分でもいい筈だ。だって俺達は同じ誕生日じゃないか!)
何故だか開き直った。
俺は、メロメロにさせられた宇都宮まことを離したくなかった。
俺は心の片隅に残っていた、一欠片の恋愛拒否行動さえも既に封印していた。
俺は完全に宇都宮まこと一色に染まって、萌まくっていた。
『実は俺、眞樹の友人の喬。携帯が入れ替わった』
俺は到頭告白していた。
無言な時間が流れる。
たまらなくイヤな居心地。
俺はそわそわしながら、宇都宮まことが太ももを触った手を思い出していた。
何故だかゾクッとした。
太ももに違和感がある。
宇都宮まことが此処に居たような、本当に触られたような感触がある。
俺は心を落ち着かせる為に静かに目を閉じた。
目を開けると又屋上にいた。
俺は恐怖の余りに座り込んでいた。
『エラーが発生しました』
携帯の画面上に大きく書かれた文字。
俺は急にいたたまれなくなって、スイッチを入れたままカバーを又スライドさせた。
でも勝手に開く。
又閉じる。
又開く。
その繰り返しだった。
宇都宮まことがやらせている訳ではない。
俺は分かっていた。
宇都宮まこと逢いたさに、手が反応している事を。
俺はきっと、宇都宮まことに逢いたくて此処に来たのだろう。
俺には時々こういうことがある。
急に寂しくなって、意識だけが母を求めてさまよったこともあった。
幽体離脱。夢遊病。
誰にも言えず俺は苦しんでいた。
(キター!!)
心も体もカッカと燃える。
まるで最新型インフルエンザにでも感染したかのように、全身全霊で宇都宮まことの言葉を待ちわびた。
『あなた誰?』
いきなり全身から血の気が引いた。
気が付くと、現実にいた。
『俺は眞樹だよ忘れたのまことちゃん』
必死に眞樹になりきろうとした。
『眞樹だったら、赤坂奈津美ちゃんがお相手の筈よ』
(やっぱりだ)
その返事を見て、そう思った。
(眞樹のヤツ年をごまかしたな?)
その瞬間。
今自分が手にしている携帯は、間違いなく眞樹の私物だと確信した。
(眞樹がOKなら自分でもいい筈だ。だって俺達は同じ誕生日じゃないか!)
何故だか開き直った。
俺は、メロメロにさせられた宇都宮まことを離したくなかった。
俺は心の片隅に残っていた、一欠片の恋愛拒否行動さえも既に封印していた。
俺は完全に宇都宮まこと一色に染まって、萌まくっていた。
『実は俺、眞樹の友人の喬。携帯が入れ替わった』
俺は到頭告白していた。
無言な時間が流れる。
たまらなくイヤな居心地。
俺はそわそわしながら、宇都宮まことが太ももを触った手を思い出していた。
何故だかゾクッとした。
太ももに違和感がある。
宇都宮まことが此処に居たような、本当に触られたような感触がある。
俺は心を落ち着かせる為に静かに目を閉じた。
目を開けると又屋上にいた。
俺は恐怖の余りに座り込んでいた。
『エラーが発生しました』
携帯の画面上に大きく書かれた文字。
俺は急にいたたまれなくなって、スイッチを入れたままカバーを又スライドさせた。
でも勝手に開く。
又閉じる。
又開く。
その繰り返しだった。
宇都宮まことがやらせている訳ではない。
俺は分かっていた。
宇都宮まこと逢いたさに、手が反応している事を。
俺はきっと、宇都宮まことに逢いたくて此処に来たのだろう。
俺には時々こういうことがある。
急に寂しくなって、意識だけが母を求めてさまよったこともあった。
幽体離脱。夢遊病。
誰にも言えず俺は苦しんでいた。


