一馬が初めて力を感じたのは、宇都宮まことと出会った時だそうだ。
それまでも色々と体験はしてきた。
その理由が知りたくて、牧師の道を選んだ。
「マリーが教えてくれたんだよ。私が産まれて来た意味を」
「宇都宮で正解でしたね」
「宇都宮の宇は、宇宙の宇と言った覚えはあるけど」
「まさか其処で……ってとこですか?」
「ああ、君の言う通りだ」
そう言いながら一馬は、俺の手を見ていた。
「ああ、良かった。夢ではなかった」
一馬はそう言って泣いていた。
「もし、眞樹が本当の救世主だったら……、そんなことばかり考えていたから」
その言葉を聞いて、俺は思った。
望月一馬は、眞樹の死に直面しながらも助けられなかったことを物凄く後悔していることを。
だから俺は、眞樹は本当は幸せだったのではないかと思った。
キリストの五つの印。
マリア・マグダレアも確認したと言う、十字架に架けられた時の手足の釘跡と脇腹の刺し傷。
それは俺の体に刻まれている。
一馬はそれを確認しては泣いていた。
眞樹を思い、俺を思いながら……
望月一馬と俺は更に様々な話をした。
一馬は俺が三階で暮らしていることを知らなかった。
だから、眞樹が若林結子を独占したのを黙認していたのだ。
俺が何時も見ていた夢の話をすると泣いてくれた。
「眞樹はサタンに魅せられたのかな?」
俺はつい、そんなことを言っていた。
俺に血液入りトマトジュースを飲ませる目的でリストカットして、輸血の苦しみを楽しみに変える。
――眞樹は悪魔と契約をした――
俺はそう思っていた。
『私は眞樹が第二の救世主だと思っていた。だから、いやそれだけでもなく愛していた。でも、サタンに変えられてしまった』
一馬が屋上で、眞樹を哀れみながら辛そうに話していたのを思い出したからだった。
(サタン? 悪魔のことか?)
俺はあの時そう思ったのだった。
「サタンではなくて、おそらくルシファーでしょうね」
でも一馬は不思議なことを言った。
その時、サタンイコールルシファーだと誰かが言っていたことを思い出した。
それまでも色々と体験はしてきた。
その理由が知りたくて、牧師の道を選んだ。
「マリーが教えてくれたんだよ。私が産まれて来た意味を」
「宇都宮で正解でしたね」
「宇都宮の宇は、宇宙の宇と言った覚えはあるけど」
「まさか其処で……ってとこですか?」
「ああ、君の言う通りだ」
そう言いながら一馬は、俺の手を見ていた。
「ああ、良かった。夢ではなかった」
一馬はそう言って泣いていた。
「もし、眞樹が本当の救世主だったら……、そんなことばかり考えていたから」
その言葉を聞いて、俺は思った。
望月一馬は、眞樹の死に直面しながらも助けられなかったことを物凄く後悔していることを。
だから俺は、眞樹は本当は幸せだったのではないかと思った。
キリストの五つの印。
マリア・マグダレアも確認したと言う、十字架に架けられた時の手足の釘跡と脇腹の刺し傷。
それは俺の体に刻まれている。
一馬はそれを確認しては泣いていた。
眞樹を思い、俺を思いながら……
望月一馬と俺は更に様々な話をした。
一馬は俺が三階で暮らしていることを知らなかった。
だから、眞樹が若林結子を独占したのを黙認していたのだ。
俺が何時も見ていた夢の話をすると泣いてくれた。
「眞樹はサタンに魅せられたのかな?」
俺はつい、そんなことを言っていた。
俺に血液入りトマトジュースを飲ませる目的でリストカットして、輸血の苦しみを楽しみに変える。
――眞樹は悪魔と契約をした――
俺はそう思っていた。
『私は眞樹が第二の救世主だと思っていた。だから、いやそれだけでもなく愛していた。でも、サタンに変えられてしまった』
一馬が屋上で、眞樹を哀れみながら辛そうに話していたのを思い出したからだった。
(サタン? 悪魔のことか?)
俺はあの時そう思ったのだった。
「サタンではなくて、おそらくルシファーでしょうね」
でも一馬は不思議なことを言った。
その時、サタンイコールルシファーだと誰かが言っていたことを思い出した。


