「やっと見つけたと思ったら俺んじゃないじゃん」
ワザとらしい言い訳だと思う。


「それでも使っちゃおー」

そう……
俺は自分に言い聞かせて、携帯を手にした。

眞樹には悪いと思ったけれと、携帯ゲームがどうしてもしたかった。

誰の携帯かなんて問題じゃなかったんだ。


俺は今ケーゲーと言う携帯端末ゲームサイトに夢中になっていた。

もうさっきからウズウズしっ放しなのだ。

でも一つだけ気になることがある。

眞樹の携帯がパケットやり放題なのかどうかだ。


でももしやり放題だったとしても、勝手にケーゲーに登録しても良いのだろうか。

アクセスしようかどうか悩みながらっき届いたメールを開く。


(しまった! 何時もの癖で、メール検索しちまった)

俺は慌てた。
それでもメール文を読んでいる自分に気付く。


(バレたっていいさ。携帯間違えた方が悪いに決まってる)

その瞬間俺は開き直った。




 そして……
それでもそっと確認する。


見て驚いた。
ナント! ケーゲーからのメールだった。

携帯端末ゲームサイト。
略してケーゲー。みんなそう言って遊んでいた。

何故このサイトにハマったかと言うと、シューティングゲームが多いことと、完全無料だったから。


俺のように劣等感のある生徒の憂さ晴らしに丁度手頃だったんだ。


「眞樹もやっていたんだ」

ケーゲーマニアの俺は何だか凄く嬉しくなり、早速ケーゲーサイトにアクセスした。


このケーゲーにはコマーシャルが無いんだ。


『おそらく、どっかの宗教団体が洗脳目的で遣っているんだろうよ』
と、誰かが言っていた。


(そんなバカな!?)
俺はそう思っていた。


送られて来た画面を見て驚いた。

何と十八禁! だった。


(眞樹が十八禁!? 嘘だろ? しかもダークファンタジーって!?)

俺は『十八禁ダークファンタジー』と書かれたコーナーの入り口で躓いていた。




 だって眞樹は超真面目で、成績だって全国でのトップクラス。
落ちこぼれと言われて久しい俺には、雲の上の存在だった。


あれっそう言えばこの携帯、眞樹に勧められたんだったけ?

確か眞樹のコネで物凄く安かったんだ。
そうだった。
だから同じだったんだ。